9月の頭に学生二人を受け入れた「仕事と家庭のインターンシップ」の報告会に参加してきました。
共働き夫婦の、職場での仕事から保育園のお迎え、家庭まで同行し、就業体験と家事育児の体験を行うことにより「仕事と家庭の両立」について考えるこの事業、
インターンシップそのものは2日間という短い期間(多分それ以上は、受け入れ先の家庭がモタないw)なのですが、事前研修あり、簡単な保育実習あり、事後の振り返り〜共有のワークありで、2日間の学びをしっかり自分の言葉に出来るよう組み立てられているので、報告会も聞き応えのある報告会でした。
学生さん達の口から語られた今回のインターンシップでの気づきを幾つか紹介。
・働くことで子どもとの時間が減ると思っていたが、子どもとの時間を大切に出来、濃密になる
・両立している人はスーパーマンのようなイメージだったが、実際には両立の努力家だった
・「両立」について知らないこと、分からないことが多い。多くの形がある
・女性が頑張って両立している、ではなく、全ての人が当事者として関わっていくことが大切
・職場でも家庭でも、現状を知ってもらい話し合うことが大切
・様々な年代の人と交流することはいろいろな場面で役に立つ
・自分の考えを言葉にして伝える、経験を知識に変えていく
・家事代行サービスに対する偏見は気にしない。使えるものは使う
・自分たちにあった生き方を見つける、選び取る
・仕事は一生懸命やるが、プライベートはいかに楽して楽しく過ごすか
・皆が迷いながらやっている、両立ってそんなにきれいに出来るもんじゃない
・制度は整っていなくても作ることができる。制度を作ってもらえる人材になる
・制度が整っていても、使える風土が整っていない場合もある。特に男性
・育児中の父親が定時で帰ることが、効率的に仕事をやる意識や、皆が早く帰る意識を生んでいた
書き出したら止まらない(笑)
まだまだ色々あった。
彼らはインターンシップで見聞きした景色、経験からこれらの言葉を見つけ出してきた。
まだ彼らの中では単なる言葉に過ぎないと思う。
でも、彼らが社会に出て仕事をし、また、家庭を持ち、実際に当事者になった時に、今回のインターンシップで手に入れたこれらの言葉が、行動や考えを支える根っこになるのだろうと思う。
しんどい時、迷った時に自分を支えてくれる根っこになる。
自分の信念を貫く時、これでいいんだと思える根っこになる、そう思うのです。
何かドタバタで仕事と家庭を行き来しているけど、あの時インターンで行った家もそうだった。
自分の働きやすいようにやらせてもらおう、私も皆が働きやすくなるようサポートしよう。それでいいんだ。
そんな風に彼らが思いながらたくましく働いている姿がちょっとだけ想像できる、そんな報告会でした。
ただ、そんな素晴らしい報告会だったからこそ、余計なひと言を。
10人の学生(5つの受け入れ先)いずれの発表も、自分たちの言葉で気づきについて語っていて、とてもよかったのだけれど、ちょっと綺麗にまとまり過ぎているかなぁと思った。
「両立ってそんなにキレイにできるもんじゃない。」
という実感が多くの学生から語られていたけれど、その「そんなにキレイじゃない」ところの生々しい場面とそこにどう感じたのかという本音をもう少し語っても良かったのかなぁと思うのです。
もちろん、発表としての体裁、受け入れ先への配慮、全体の時間配分など色々あってのことだとは思うけれど、この事業に手を挙げてくれる受け入れ先なら、少々のことを発表されることに抵抗はしないだろうし、5組がお互いの発表をシェアするときにも、話が具体的であればある程、実になると思うなぁ。
やっぱり断然面白くてためになるのは「キレイにまとめられた言葉」じゃなくて「生の体験談」だと思うのだ。
来年以降、この事業がますますいいものになっていくことを期待したいと思います^3^)
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ペーパーレストラン2018 紙kamiが織りなす花鳥風月
明日11月4日(日)までです。
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